祥人『ユッカ』メディアワークス
- 作者: 祥人
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/11
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
わけありのゲーム好きパパと娘・あずね、その家に居候している甥っ子のゲーム好き大学生・春告。
ある日、「ユッカ」と名乗る謎の女性がパパに「恩返しをしたい」と突然の来訪。パパの謎を探る女スパイ(ゲーム好き)もこの家族に迫り・・・というお話。
「ユッカ」とパパのデザインは『日がな』に登場する雪華と彼女の父親に似ていますが、作者いわく「パラレルワールド」とのこと。『日がな』と異なり学校という枠を取り払ったことで展開に幅が広がりストーリィに無茶できる余地を生み出した・・・はずなのですが、やってることは『日がな』と全く同じです。むしろ潔い(笑)。
ちょっと一般人とはズレているユッカや、『日がな』と違い、普段はとぼけているけど実は凄い秘密を持っていそうな(特撮でいう秘密の研究機関系な感じ)パパ、パパとユッカの関係を嫉妬込みで心配する娘・あずね、などなど。女子高のゲーム部を舞台にした『日がな』よりも、ゲーム成分薄めで、そのぶん人間関係などを厚く描いているような気がします。
とはいうものの、『日がな』のみひろを髣髴とさせるバカキャラも登場しますし、だらだらと自堕落にゲームをする日常を生活感たっぷりに、ユーモラスに描いています。個人的にはカバーをとった表紙に描かれている「一人暮らしの女性に対する他のマンション住人からの偏見」の悲哀が秀逸だと思います。
ただし、『日がな』もそうなのですが「たくさんゲームがあって時間が無い」状態はあっても「たくさんゲームがあってお金が無い」という状態はあまり描かれていないんですよね。この辺は同じゲーム日常4コマでありながらも、「ゲーム代を捻出するために徒歩通勤をする」などの涙ぐましい努力をする鈴城芹『家族ゲーム』とは異なるところで、その差異が非常に興味深いと思います。
読めばゲームがやりたくなる、わけでもなく、だらだらとしたゲームがある日常をただ眺めるだけの4コママンガ。でもなぜか読み返したくなる「味」を持っている漫画です。
日がな半日ゲーム部暮らし (Dengeki Comics EX―電撃4コマコレクション)
- 作者: 祥人
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/10/01
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (36件) を見る