初心者のための使えるジョジョ語(補足編)

長らくのお待たせでしたァン!(←間違った使い方)
新学期から半年経ち、今年も暮れようとしております昨今、ジョジョ語の使い方には慣れましたでしょうか?
これまで、基本編、中級編、登校編、授業編、帰宅編と講義を行ってきました。
初心者のための使えるジョジョ語(基本編)
初心者のための使えるジョジョ語(中級編)
初心者のための使えるジョジョ語(登校編)
初心者のための使えるジョジョ語(授業編)
初心者のための使えるジョジョ語(帰宅編)
最後に「補足編」としまして、「『ジョジョの奇妙な冒険』に載っていないジョジョ語」、すなわち作者である荒木飛呂彦先生のお言葉をレクチャーしたいと思います。



1.「ジョジョの奇妙な冒険って何?」と聞かれた場合
ジョジョを知らない人に真っ先に聞かれる質問です。
その場合、こう答えましょう。
「人間讃歌です」*1
テレビ朝日で放送されました「アメトーーク ジョジョの奇妙な芸人」でケンドーコバヤシも答えていました。

2.「なんでジョジョって名前なの?」って聞かれた場合
なぜジョジョなのか、と言うのは第一部の主人公がジョナサン・ジョースターだからなのですが、その名前の由来は?
「ファミレスのジョナサンをよく打ち合わせに使っていたからなんです」*2
これはジョジョラーには有名なトリビアで、上と同じく「アメトーーク ジョジョの奇妙な芸人」でスピードワゴンの小沢も言っています。
ちなみに「ジョースター」ですが、星(スター)という意味が込められています。これもジョジョトリビア*3


3.「ジョジョって単なるバトルマンガなんじゃないの?」と言われた場合
 確かにジョジョを知らない人は単なるバトルマンガと勘違いしてしまうでしょう。
 しかし、違うのです。
「パンチの強い人が必ずしも強い人間なんじゃない」*4
 ジョジョのバトルでは窮地に陥った主人公が知恵と機転で切り抜けます。まさに原始時代に「人間」が生き残るために知恵を用いて道具を発明したのと同様です。『ジョジョの奇妙な冒険』におけるバトルとは、「人間讃歌」というテーマの表現方法の一つなのです。

4.「ゴゴゴゴ」とか、ジョジョの擬音って変わってるよね、と言われた場合
 これまでの講義でもレクチャーしましたが、『ジョジョの奇妙な冒険』の特徴の一つは「ゴゴゴゴゴゴ」「ズキュウウウン!」などの独特な擬音。では、その擬音の源は何なのでしょうか。
「これはヘビメタですね。ギュウゥゥーーーンとか」*5
はいココ試験に出ますよー。
ちなみに、「あとホラームービーとかに出てくる。キュンキュンキュンキュン……とか」*6とも言っております。

5.「運命」とは?
ジョジョの奇妙な冒険』内で「運命」について登場人物が解説しています。
「「命」を「運」んでくると書いて『運命』!……フフ よくぞ言ったものだ」*7
「運命とは『眠れる奴隷』だ……」*8
荒木飛呂彦先生は「運命」について、こう語っています。
「「運命」は偶然ではなく理由がある」*9
ジョジョの奇妙な冒険』連載開始から20年以上も「人間讃歌」を描き続けてきたからこその「重み」のある一言です。
別のインタビューで、荒木先生はこうも語っています。
「先祖からの因縁を受け入れて、立ち向かうっていうのが『ジョジョ』のテーマなんです。うじうじと自分の運命を呪ったり、運命を変えようとするんじゃなくて、それを超えていこうとする姿を描きたかったんです」*10


6.作品のテーマについて
なぜ『ジョジョの奇妙な冒険』という超大河コミックがこれほどまでに人々を魅了するのか。
その一つとして、「人間讃歌」という一貫したテーマがあることが言えると思います。
第7部、SBR(スティール・ボール・ラン)連載後に荒木飛呂彦先生はこう語っています。
「季節がうつり変わるように、あるいは人が人生を歩むように、作品のテーマというものも過去からの延長線上になければと思うのです。断ち切ることは、してはいけないと考えます」*11
そしてそれでもまだ『ジョジョ』は進化し続けます。まるで「人間」のように。
「やっぱり誰もやったことがないことを描くときがいちばん楽しい。もうそれは人気とか関係ないんです。みんな引いてもいいくらいの感じなんです」*12


7.ウソつきと呼ばれたとき
でもまあ、人間誰しも間違いはあります。もし「ウソつき」と言われた場合、取り繕うのではなく、スマートにこう答えましょう。
「おとなはウソつきだ」と思った少年少女のみなさん、どうもすみませんでした。おとなはウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです…」*13
このセリフは有名ですのでメモっておいてください。

いかがでしたでしょうか。
これらの言葉は厳密には「ジョジョ語」ではないかもしれません。
しかしながら、『ジョジョ』という作品を生み出している作者・荒木飛呂彦先生の言葉を「「言葉」でなく「心」で!」*14理解するようになると、そこにはジョジョ初心者からの卒業の道が拓けているのかもしれません。
間があいてしまい足掛け半年近くに渡るレクチャーになってしまいましたが、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
この講義が皆様のジョジョライフが豊かになる一助となれば幸いです。
そして全てのジョジョを愛する皆様のご多幸とご発展を祈念しつつ、最後はやはりこの言葉で締めたいと思います。


ドォーン!

*1:コミックス1巻表紙カバー折り返し。正確には「「人間」と「人間以外のもの」との闘いを通して、人間讃歌を歌っていきたいと思います」

*2:雑誌ダ・ヴィンチ2005年9月号荒木飛呂彦インタビュー、p206

*3:JOJO-A-GOGO DISC.3、p21

*4:西尾維新クロニクル』西尾維新×荒木飛呂彦対談p86、正確には「パンチの強い人が必ずしも強い人間なんじゃないんだなみたいな」

*5:太田出版週刊少年「」荒木飛呂彦の回、p20

*6:同:太田出版週刊少年「」』、p20

*7:吉良吉影、45巻、p205

*8:ブチャラティ、63巻、p138

*9:SO16巻表紙カバー折り返し

*10:雑誌ダ・ヴィンチ2005年9月号荒木飛呂彦インタビュー、p205

*11:SBR2巻表紙カバー折り返し

*12:雑誌ダ・ヴィンチ2005年9月号荒木飛呂彦インタビュー、p207

*13:コミックス4巻、p202

*14:ペッシ、53巻、p102