『さよなら絶望先生』とカフカの『日記』についての推論

 カフカ『審判』のプチ書評でも少し触れましたが、『さよなら絶望先生』にはカフカの『日記』の影響が多分にあるものと推察されます。
 ウディ・アレンの『羽根むしられて』という本があるのですが、その中に『ぼくの日記帳』という短編が収められています。この短編の紹介にあたって、

 ウディ・アレンのプライベートなノートの抜粋というかたちをとっているが、もちろん本気にする人はいないでしょう。読み進めるうちにあのフランツ・カフカの「日記」を思い浮かべてしまうけれど、ウディの日記の「神経症」ぶりもなかなか痛ましい。
(『羽根むしられて』p10より)

と記されています。ですから、カフカの日記と絶望先生は芸風としてかなり近いんじゃないかと思ってますし、登場人物の一人がペンネームながら風浦可譜香(フウラ・カフカ)なのもそういう意味じゃないかと推察されます。これを確かめるためにはカフカの『日記』を読むよりほかないのですが、邦訳されて出版された形跡が私には確認できません。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらお教えいただければ幸いです(ペコリ)。
【関連】絶望した!カフカの「絶望名人」っぷりに絶望した! - 三軒茶屋 別館

さよなら絶望先生(1) (講談社コミックス)

さよなら絶望先生(1) (講談社コミックス)

羽根むしられて (河出文庫)

羽根むしられて (河出文庫)